コーポレートファイナンスの原理/Stephen A. Ross他
本ブログの管理人は法学畑の人間ですが、会社法や租税法など、ファイナンス関連の知識が必要になる場面も多いため、必要に駆られて購入しました。
<良い点>
・1500ページを超える分量のため、ファイナンス周りで知りたいと思っていたことはほぼカバーされていました。「効率的市場仮説」「ベータ」「資本資産価格モデル(CAPM)」「プット・コール・パリティ」などの概念は、ネットで検索してもなかなか理解できなかったのですが、本書を頭から読んでいけばきちんと理解できるようになります。
・本書と同じレベルのファイナンスの教科書はたいてい2(+n)分冊になっていますが、本書は1冊にまとめられており、コスパがいいです。
・かなり分厚いですが、練習問題をとばせば見た目ほど大した分量ではありません。練習問題は解かなくても読み進められるようになっています。
・論文や書籍、ウェブサイトへのリファレンスが非常に豊富で便利です。
<留意点>
・分厚い。計画的に読み進めないと厳しい。
・あからさまな直訳が多く、あまりこなれた翻訳とはいえません。訳者あとがきにあるように、正確さを心がけようとすると仕方がないのかもしれませんが、多少の読みにくさはあるかもしれません。
・数学・経済学の知識はほぼ必要ありませんが、会計学・統計学の知識が多少ないと読み進めるのが難しくなるかもしれません。簿記3級、統計検定3級レベルの勉強はしておいた方がいいかもしれません。個人的には、『数理法務概論』(最下段にリンクをのせておきます)の4章、5章、8章を事前に読むことをおすすめします。
・練習問題の解答は一部しかありません。なお、StuDocuというウェブサイトに全問題の解答・解説を見つけることができます。
数理法務概論 -- Analytical Methods for Lawyers
- 作者: ハウェル・ジャクソン,ルイ・キャプロー,スティーブン・シャベル,キップ・ビスクシィ,デビッド・コープ,神田秀樹,草野耕一
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2014/03/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る